【知らないとマズイ不動産の基礎】都市計画法っていったい何だろう?

こんにちは!

皆さんが普段よく見る不動産広告の物件概要に「用途地域」の記載があるのはご存じですか?
この「用途地域」「都市計画法」で定められているもので、土地利用の用途や制限のことを指しています。

あまり意識していないという方も多いかもしれませんが、実は住まい選びにも関わる重要なポイントとも言えます。

普段何気なく生活している自分の街も都市計画法のもとに整備されており、みんなが暮らしやすい街づくりを行う上で非常に大事なルールなのです。

今回は、その「都市計画法」の基本概要を分かりやすく解説していきます!!

タッケン

都市計画法…初めて聞くコトバだな。

不動先生

聞き慣れない言葉だけど、タッケンが住んでいる街も都市計画法に基づいて街づくりがされているんだよ。

タッケン

そうだったんだぁ!僕が住んでいる街のことなら急に興味が沸いてきたぞ。

不動先生

では、まず「都市計画法とは」から勉強していこうね

目次

都市計画法とは

都市計画法は、1969年に施行されました。

当時は戦後の高度経済世長期の中、無秩序な施設の建設や市街地化が行われていることが問題となり、正しい都市計画のためのルールづくりが急務となっていました。

それが「都市計画法」制度の背景にあります。
そして制定後も時代に合わせて改定が行われています。

都市計画法で定められている主な内容はこちらです。

  • まちづくりをする場所を決める都市計画に関する基本方針
  • 土地利用に関する具体的なルール
  • 道路や公園、下水道などの都市施設の整備
  • 建物の整備や再開発といった市街地開発事業に関するもの

「都市計画法」には「都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画」と記載されています。

つまり、みんなが快適に暮らすことのできる都市を実現するための方法や手段が「都市計画」ということです。

タッケン

街づくりには、欠かせない内容ばかりだね。

不動先生

理想の都市を完成させるためには、綿密な計画が必要です。
それが「都市計画法」なんですね。

都市計画の構造と内容とは

STEP
都市計画区域の指定

都市計画の最も大きな方針として、都市としてのまちづくりを行うエリア「都市計画区域」を指定します。

効率的な街づくりを行うため土地や建物の使い方のルールを設けるエリアということです。

そして、都市計画区域に指定されないエリアは「都市計画区域外」といい、街づくりは行われないため建物や土地のルールのないエリアとなります。

都市計画区域外でも、一部のエリアでは開発を勝手にされないようにある程度のルールを設けるエリアがあり、それは「準都市計画区域」として定められます。

※ちなみに、都市計画区域は市や県の境界とは関係なく指定ができるため、二つの県にまたがって指定されることもあります。

その場合、一つの都道府県内に指定する場合は都道府県が指定し、二つの都道府県にまたがる場合は、国土交通大臣が指定することになります。

STEP
「市街化区域」を線引きする

都市計画区域がきまったら、その区域内をさらに線引きしていきます。

都市計画区域内で、より積極的に市街化を図るエリア「市街化区域」とそうではないエリアにわけていきます。

「市街化区域」…すでに市街地である、または今後10年以内に市街化が図られる区域
「市街化調整区域」…市街化が抑制される区域
「非線引き区域」…特に何も定めない区域
 比較的規制が緩い地域

※なお、この区域区分は三大都市圏や政令指定都市では区分されることとされていますが、人口50万人のエリアでは区域区分は定めなくてもよいとされています。

タッケン

何でこんな風に区分けされるのだろう?

不動先生

市街化することが決まっている地域を、効率的に整備するためだよ。
例えば、道路や公園などをバラバラの場所にそれぞれ作ってしまうと余計にお金がかかってしまいますよね。

STEP
「地域地区」を定める

線引きした都市計画区域内の具体的な土地利用の用途やルールを定めるのが「地域地区」です。

不動産広告の概要で目にする「用途地域」も地域地区の一つで、地域地区は全部で21種類ありますが、代表的な13種類を紹介していきます。

用途地域…建築できる建物の用途等を定めた地域

特別用途地区用途地域よりも、さらにきめ細かい建築規制を実施するため設定される地区

特定用途制限地域…限定された範囲で、周辺環境に影響を与えかねない建物の建築を制限する地域

特例容積率適用地区…未利用の容積の活用を促進して、土地の高度利用を図るため定める地区

高層住居誘導地区…容積率の限度が400%の定めを最高で600%まで拡大するという地区

高度地区…市街地の環境維持のために建築物の高さに最高限度が設定される地区

高度利用地区…容積率の最高限度、最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度が定められた地区

特定街区…市街地の整備改善を図るために、街区の整備をおこなう区域と指定された地区

都市再生地区…都市の再生に貢献し、既存の用途地域や容積率、高さなどの規制によらない自由度の高い土地の有効活用が出来る対象の地区

防火地域・準防火地域…市街地における火災の危険を防除するため定める地域

特定防火街区整備地区…密集市街地における災害拡大を防止するための制限や避難道路・公園を設ける地区

景観地区・準景観地区…景観法に規定され、市街地の良好な景観の形式を図るため、都市計画に定められる地区

風致地区…都市に残された水や緑などの貴重な自然環境を守る地域に指定され、都市における風致を維持するために定められる地区

STEP
「用途地域」を定める

用途地域は、土地利用の用途により住宅地、商業地、工業地の3つに分けられ、さらに建築できる建物の種類などを細かく規制するため、13種類の地域に分類されています。

ちなみに、用途地域は都市計画法で定められていますが、用途制限に関する建物の規制内容については建築基準法に定められています。

用途地域はざっくり分けると下記の通りです。


住居系用途地域
商業系用途地域
工業系用途地域

不動先生

都市計画法と建築基準法は、密接に関係しながら両方が協力しあって「まちづくり」を進めるというイメージですね。

STEP
「地区計画」を定める

地区計画とは、より小さなエリアで指定される都市計画上の制限で、それぞれの地区の特性に応じて定められるものです。

住民等の意見を反映し、道路、公園、広場などの地区施設の配置や建築物の規制、緑地の保全などの詳細なルールを定めます。

STEP
都市施設の整備

都市施設とは、良好なまちづくりのためになくてはならない共同の施設のことです。

具体的には道路や公園、上下水道、ガス、電気、学校や図書館、病院、ごみ焼却場などが該当します。

都市計画で都市施設の整備が決定され、その指定区域内に建築規制が及びます。

STEP
市街地開発事業

市街地開事業とは、「すでに市街地となっている区域や市街地を図るべき区域内で、計画的な街づくりを具体的に行うための事業」です。

代表的な事業には「土地区画整理事業」「市街地再開発事業」などがあります。

タッケン

開発事業ってどんな流れで始まるの?

不動先生

①予定区域を指定
②都市計画事業の認可、承認を経て公示
③工事がスタート
この様な流れになります。

まとめ

今回は、都市計画法の大まかな内容について詳しく説明をしてきました。

次回は、「不動産購入の際に役立つ13種類の用途地域の特徴」を解説していきます。

タッケン

僕たちが何気なく生活している都市は、こんなにいっぱいあるルールの基に作られた都市だったんだね~。

不動先生

タッケン 都市計画法の大まかな内容が理解できてよかったね!

不動産基礎知識をますます深めるためにも、次回「13種類の用途地域の特徴」を解説していきます。

この記事を見て参考になったという方は、私のYouTubeチャンネルX(Twitter)もフォローいただけると嬉しいです。
お酒の販売・製造免許や宅建業免許申請手続き等に関するご相談がございましたら、あやなみ行政書士事務所へご相談ください。
>>こちらのリンクからメールのお問合せフォームに飛びます。

  • スマートフォンの場合は以下の電話番号ボタンのタップで電話がつながります。
  • お問い合わせ内容により、有料相談(30分5,500円)となる場合がございます。
  • ご相談前に、会社名・担当者名等をお伺いいたします。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次