こんにちは!
行政書士の宮城彩奈(@ayanamiyagi)です。
お酒を造る免許はどうすれば取れるの?
本記事では、お酒の製造免許について、免許の種類と免許を取るための要件を解説します。
お酒の製造免許の種類とは?
お酒の製造免許は以下の17種類に分かれており、カッコ内の一定の数量以上を製造する必要があります。
- 清酒(60㎘)
- 合成清酒(60㎘)
- 連続式蒸留焼酎(10㎘)
- 単式蒸留焼酎(10㎘)
- みりん(10㎘)
- ビール(60㎘)
- 果実酒(6㎘)
- 甘味果実酒(6㎘)
- ウィスキー(6㎘)
- ブランデー(6㎘)
- 原料用アルコール(6㎘)
- 発泡酒(6㎘)
- その他の醸造酒(6㎘)
- スピリッツ(6㎘)
- リキュール(6㎘)
- 粉末酒(6㎘)
- 雑酒(6㎘)
適用されない場合とは?
次に当てはまる場合は、上記の適用は受けません。
- 清酒の製造免許を受けた者が、その製造免許を受けた製造場において、単式蒸留焼酎またはみりんを製造しようとする場合。
- 連続式蒸留焼酎または単式蒸留焼酎の製造免許を受けた者が、その製造免許を受けた製造場において、みりんを製造しようとする場合。
- 果実酒または甘味果実酒の製造免許を受けた者がブランデーを製造しようとする場合。
- 試験のために酒類を製造しようとする場合。
- 輸出するために清酒を製造しようとする場合。
- 一の製造場において清酒および合成清酒を製造しようとする場合で、製造免許を受けた後1年間におけるその製造見込数量の合計が60㎘以上であるとき。
- 一の製造場において連続式蒸留焼酎及び単式蒸留焼酎を製造しようとする場合で、製造免許を受けた後1年間におけるその製造見込数量の合計が60㎘以上であるとき。
- 上記の他に準ずる場合として、政令で定める場合。
なお、登録免許税は1種類の免許ごとに15万円です。
人的要件とは?
次に当てはまる法人、法人の役員、事業主等はお酒の製造免許を受けることができません。
- 免許の申請者が酒類の製造免許、酒母、もろみの製造免許、酒類の販売業免許を取り消され、またはアルコール事業法の規定により許可を取り消された日から3年を経過するまでの者である場合。
- 酒類製造者・酒類の販売業免許を受けた者(以下「酒類販売業者」という。)である法人が、酒類の製造免許・酒類の販売業免許を取り消された場合、またはアルコール事業法の規定により許可を取り消された場合において、それぞれ、その取消しの原因となった事実があった日以前1年内に、当該法人の業務を執行する役員であった者で当該法人がその取消処分を受けた日から3年を経過するまでのものが酒類の製造免許、酒母、もろみの製造免許または酒類の販売業免許を申請した場合。
- 免許の申請者が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人(酒類等の製造又は販売に係る営業に関し代理権を有するものに限る。)が②・⑦・⑧・⑨までに規定する者である場合。
- 免許の申請者又は前号に規定する法定代理人が法人であって、その役員のうちに①・②・⑦・⑧・⑨までに規定する者がある場合。
- 免許の申請者が①・②・⑦・⑧・⑨に規定する者を当該申請に係る製造場又は販売場に係る支配人としようとする場合。
- 免許の申請者が当該申請前2年内において国税、または地方税の滞納処分を受けた者である場合。
- 免許の申請者が国税若しくは地方税に関する法令等の規定により通告処分を受け、それぞれ、その刑の執行を終わり、執行を受けることがなくなった日、またはその通告の旨を履行した日から3年を経過するまでの者である場合。
- 免許の申請者が未成年飲酒禁止法、風営法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、刑法(傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合・結集、脅迫、背任)、暴力行為等処罰に関する法律の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から3年を経過するまでの者である場合。
- 免許の申請者が禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わつた日または執行を受けることがなくなった日から3年を経過するまでの者である場合。
製造場所の要件とは?
お酒を製造する場所についても決まりがあり、「正当な理由がないのに、取締り上不適当と認められる場所に製造場、または販売場をもうけようとする場合」には免許が下りません。
では、不適当な場合とはどのような場合を指すのでしょうか?
- 製造場が、酒場・料理店等と同一の場所。
- 販売場が、製造場・販売場・酒場・料理店等と同一の場所。
- 販売場での営業が、販売場の区画割り、専属の販売従事者の有無、代金決済の独立性、その他販売において他の営業主体との営業と明確に区分されていない。
経営能力の要件とは?
酒税法には、「申請者が経営の基盤が申請者が薄弱であると認められる場合」には、免許が下りません。
経営の基盤が薄弱とは、申請者が事業経営のために必要な資金の欠乏、経済的信用の薄弱、製品または販売設備が不十分、経営能力の貧困等、経営のモノ・ヒト・カネに欠陥があり、酒類の製造者の販売代金の回収に困難をきたす恐れがある場合をいいます。
申請者が破産開始の決定を受けて復権を得ていない事のほか、申請者が以下の①から⑧に該当していないかを確認します。
経営の基盤が薄弱に該当しているかチェック
- 現に国税又は地方税を滞納している場合。
- 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合。
- 最終事業年度における確定した決算の貸借対照表の繰越損失が、資本等の額(資本金、資本剰余金及び利益剰余金の合計額から繰越利益剰余金を控除した額とする。以下同じ。)を上回っている場合、または最終事業年度以前3事業年度の全ての事業年度において、資本等の額の20%を超える額の欠損を生じている場合。
- 酒税に関係のある法律に違反し通告処分を受け、履行していない場合、または告発されている場合。
- 申請製造場、または申請販売場の申請場所への設置が、建築基準法・都市計画法・農地法・流通業務市街地の整備に関する法律その他の法令、または地方自治体の条例の規定に違反しており、当該店舗の除却、または移転を命じられている場合。
- 現に酒類製造免許を受けている酒類に対する酒税につき、担保の提供を命ぜられたにもかかわらずその全部、または一部の提供をしない場合。
- 酒類の製造免許を付与することとした場合において、当該製造者が今後1年間に納付すべき酒税額の平均3か月分に相当する価額、または製造免許申請書に記載している酒類の数量に対する酒税相当額の4か月分に相当する価額のうち、いずれか多い方の価額以上の担保を提供する能力がない者である場合。
ただし、申請酒類の酒税額が、製造免許を付与した場合における当該製造者の今後1年間に納付すべき酒税額(既免許の酒税額を含む。)の3割以下であって、当該製造者について申請酒類の酒税額の4か月分に相当する価額以上の担保を提供する能力があると認められる場合は、この限りでない。 - 申請酒類小売販売場において酒類の適正な販売管理体制が構築されないことが明らかであると見込まれる場合。
お酒の製造能力や知識はあるか?
- 申請者は、事業経歴その他から、適正にお酒を製造する十分な知識や能力があると認められる者、またはこれらの者が主体となって組織する法人であること。
- 製造場について、お酒の製造見込み数量が、法定製造数量以上であること。
- 申請者が、お酒を適切に製造するために必要な資金等、製造または貯蔵等に必要な人員を有する者であって、お酒の製造に関して安定的な経営が行われると認められる場合であること。
- お酒の製造免許を下すこととした場合に、お酒の製造に必要な原料の入手が確実と認められること。
まとめ。
お酒の製造免許は、税務署の手引きにも記載が少なく非常に複雑です。
当事務所はお酒の製造・販売免許を取り扱っていますので、お酒の免許を検討されている方はご相談ください。
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