【保存版】お酒を販売する人は必見!!酒類販売管理者について解説します

太郎

お酒を販売する会社を立ち上げることにしたんだ!

花子

すごいね!じゃあ、酒類販売管理者を選任しないといけないね。

太郎

そうなの?知らなかった!酒類販売管理者って何?

花子

酒類販売管理者がいないと罰金や免許取り消しなどの罰則が処せられてしまうよ。必ず選任しようね!

目次

酒類販売管理者とは?

酒類販売管理者とは、販売場でお酒を取り扱う責任者のことです。

酒類販売管理者は免許取得と並び、非常に重要ですので、酒類販売管理者の仕事内容や遂行しなければならない義務などをきちんと理解しましょう。

酒類販売管理者制度について

酒類は、致酔性*などの特性を有する飲料であることから、20歳未満の飲酒防止をはじめとしたお酒の販売管理に対する社会的要請が高まっています。こうしたことを背景として、平成15年9月に酒類販売管理制度が導入されました。

*ある物質が摂取された際に、人が酔ったり興奮したりする様子

酒類販売管理制度では、下記の4つの義務を遂行しなければならないとされています。

酒類販売管理者の選任義務

酒類小売業者は、販売場ごとに、お酒の販売業務に従事する方で、酒類販売管理研修を過去3年以内に受講した者の中から「酒類販売管理者」を選任しなければなりません。

花子

酒類販売管理者を選任しなかった場合には、50万円以下の罰金に処せられ、あわせて免許が取り消されることがあるので必ず選任しましょう!

酒類販売管理者選任の届出義務

酒類小売業者は、酒類販売管理者を選任し、または解任したときは、2週間以内にその旨を所轄の税務署長に届出なければいけません。

花子

届出を怠った場合には、10万円以下の過料に処せられることとなっていますので、忘れずに届出を行いましょう。

酒類販売管理者に定期的に研修を受講させる義務

酒類小売業者は、酒類販売管理者に、前回の受講から3年を超えない期間ごとに研修を受講させなければなりません。

花子

定期的に受講させない場合、勧告、命令を経て50万円以下の罰金に処せられ、あわせて免許が取り消しになることがあるので必ず3年ごとに受講しましょう。

標識の掲示義務

酒類小売業者は、酒類管理研修の受講証はお酒の販売場に掲示する必要はありませんが、お酒の小売販売場ごとに、見やすい場所に、下記を記載した標識を掲げなければいけません。

  1. 販売場の名称及び所在地
  2. 販売管理者の氏名
  3. 酒類販売管理研修受講年月日
  4. 次回研修の受講期限(③の3年後の前日)
  5. 研修実施団体名

酒類販売管理者の業務について

酒類販売管理者は、販売場においてお酒の販売および管理に関する法令を遵守した業務が行われるよう、酒類小売業者に助言し、あるいはお酒の販売業務に従事する従業員などに対して指導を行うとともに、お酒の適正な販売管理体制の整備について自ら積極的に取り組まなければなりません。

なお、酒類小売業者は酒類販売管理者の助言を尊重し、従業員はその指導に従わなければならないとされています。

酒類販売管理者はお酒の販売を管理し、法令や規制に遵守する責任があることを説明する画像

酒類販売管理者になるためには?

酒類販売管理者になるには、お酒の販売業務に従事する方のうち、下記のすべての要件を満たしている方がなることができます。

  • 未成年者でないこと
  • 精神機能の障害により酒類販売管理者の職務を適正に行うにあたって必要な認知、判断および意思疎通を適切におこなうことができない者でないこと
  • 酒税法第10条第1号、第2号または第7号から第8号までの規定に該当しない者であること
  • 酒類小売業者に引き続き6ヶ月以上の期間継続して雇用されることが予定されているもの
    (酒類小売業者と生計を共にする親族および雇用期間の定めのない者を含みます。)
  • ほかの販売場において、酒類販売管理者に選任されていないこと
    ※同一人が複数の販売場の酒類販売管理者になることはできません。
花子

太郎さんのような、酒類小売業者(申請者や役員のうち1人)が、販売場でお酒の販売業務に従事する場合は、自ら酒類販売管理者になることができます。

選任までの流れ

STEP

酒類販売管理者になる資格がある方が、研修を受講することができます。

STEP
受講証を受け取る

お酒の免許申請の審査などお酒の販売業務に従事する以上、提出を求められることがありますので、確実に保管してください。

STEP
酒類小売業者が酒類販売管理者を選任する

研修を3年以内に受けた方のうちから選任します。

STEP
税務署に届出る

選任したときから、2週間以内に所轄の税務署長に届出なければなりません。

太郎

酒類販売管理者の選任は、販売場ごとに、酒類の販売業務を開始するときまでに行う必要があるんだ!

酒類販売管理者になるためには必須!酒類販売管理研修について

酒類販売管理研修は、販売場でお酒の販売業務および管理を行うべき酒類販売管理者について、お酒の特性や法律の知識向上を図ることにより、販売場でお酒の適正な販売管理について、より実効性を高めることを目的としています。

なお、酒類販売管理研修では、法律に基づいてお酒の販売業者に課される義務などについて学びます。具体的には、下記のような内容になります。

  1. 酒類販売管理者の役割について
  2. お酒に関する法令について
    (酒税法および酒類業組合法、未成年者飲酒禁止法、アルコール健康障害対策基本法、リサイクル関係法令、景品表示法、独占禁止法など)
  3. お酒の商品知識および商品管理について
  4. お酒の表示について
  5. 未成年者飲酒禁止法の取り組みについて
  6. 免許取得後の義務について

研修時間は、実施団体にもよりますが2~3時間程度となっています。研修の最後には、チェックテストがありますので説明をしっかり聞くようにしましょう。

受講終了後には、「酒類販売管理研修受講証」が交付されます。大切に保管しましょう。

酒税法では”酒類販売管理者に、前回の受講から3年を超えない期間ごとに酒類販売管理研修を受講させなければならない”と規定されています。
つまり、酒類販売管理者になった方は、3年ごとに研修の再受講が必要ということです。3年ごとの研修を受講しなかった場合、罰則の適用があります。
お酒の免許には更新は必要ありませんが、酒類販売管理研修は3年ごとに受講が必要です。必ず忘れないようにしましょう。

花子

お酒に関するトピックスや、法令について、酒類販売管理者は常に新しい情報を知っている必要があるため、3年ごとに研修を受講しなければなりません。

酒類販売管理研修は、財務大臣がしていした団体が実施しています。そのため、研修を受けたい場合は各団体のHPなどから申し込みをします。
最新の研修実施団体情報は、国税庁のHPからご確認ください。
【国税庁HP:酒類販売管理研修実施団体の指定状況等及び研修実施予定について

法人の場合は役員も研修を受講したほうがいいの?

酒類販売管理研修を受講するのは、酒類販売管理者になる人1人です。

ですが、初めて法人で酒類販売業免許を取得しようとするときに、酒類の販売業を営む会社などで経営者として酒類販売業務に従事していたことが求められるのですが、従事した期間(3年以上)が足りない場合は、酒類販売管理者以外に、役員のうち1人も受講しておくと審査がスムーズに運びます

また、役員が酒類販売管理者を兼任する場合は、その方のみの受講で大丈夫です。

研修はいつまでに受講したほうがいいの?

酒類販売業者は、お酒の販売業務を開始する時までに酒類販売管理者を選任する必要があります。

酒類販売管理研修の受講が終わっていない状況では、酒類販売管理者が選任できないため、免許の交付が遅れることもあります。免許を申請する時点では受講していなくても問題はありませんが、申請書提出後に受講する場合はなるべく早めに受講を終えるようにしましょう。

酒類販売管理者に代わる責任者の配置について

酒類販売管理者は常駐する義務はありませんが、酒類販売管理者は、販売場ごとに1人とし、複数名を選任することはできません。

下記に該当する場合には酒類の販売業務を行う従業員の中から、酒類販売管理者に代わる責任者として指名し、必要な人数分、配置する必要があります。

  • 夜間(午後11時から翌日午前5時)にお酒の販売を行う場合
  • 酒類販売管理者が常態として、長時間(2~3時間以上)不在となることがある場合
  • 販売場の面積が著しく大きい場合(100㎡を超えるごとに1名以上の責任者を指名する)
  • 販売場が複数の階にある場合(酒類販売管理者のいない各階ごとに1名以上の責任者を指名する)
  • 同一の階にある複数の販売場が20m以上離れている場合
  • 同一の階において販売場が3箇所以上ある場合
  • その他、酒類販売管理者のみでは酒類の適正な販売管理の確保が困難と認められる場合

なお、責任者はできるだけ成年者とし、特に上記夜間にお酒の販売を行う場合には、必ず成年者を配置する必要があります。

太郎

つまり、酒類販売管理者は販売場ごとに1人しか選任できないけど、場合によっては酒類販売管理者に代わる責任者を指名して設置することができるんだね!

まとめ

今回は、酒類販売管理者について解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

酒類は、致酔性などの特性を有する飲料であることから、酒類小売業者には、酒類の適正な販売管理を行えるように、酒類販売管理者を必ず設置し、20歳未満の飲酒防止をはじめとした社会的な要請に適切に対応することが求められています。

当事務所では、酒類に係る免許の取得についてもお手伝いさせていただいております。ご検討されている方は一度ご相談ください。

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