私の営業所、来月移転することにしたんだ!
太郎さんは、古物商許可を持っているよね。
営業所を移転する場合は事前届出が必要だね!
移転した後に変更届出申請を行う予定だけど、それじゃダメかな?
ダメだよ!
古物商許可に関する変更・追加・削除などがあった場合、どういう書類が必要で、どんな手続きをどんな流れで行うのか一緒に確認しようか!
古物商許可は、営業内容に変更があったとき際には、公安委員会に変更届を提出しなければなりません。
変更届は、事前と事後の届出に分かれており、それらを同時に届出することはできないため2回に分けて行うことになります。
また、その変更が古物商の許可証の記載事項である場合には、許可証の書き換え申請も必要です。
今回は、どのような変更のときにどこにいつまで提出すれば良いのか、解説していきます。ただし、これらは一般的な情報になりますので、古物商の変更届出申請を行う際には、該当する地域の法律や規制を確認し、遵守することが重要です。
事前届出が必要なケース
古物商の「営業所」に関して、その名称または所在地を変更する場合には、あらかじめ届出をする必要があります。
- 営業所の名称の変更
- 営業所の移転
- 営業所の新設
- 営業所の廃止
- 主たる営業所の変更
上記は事前届出を提出した後、事後届出の提出も必要です。
事後届出が必要なケース
古物商の営業所の名称又は所在地の変更以外の事項について変更があった場合は、その事後に届出が必要になります。
事後届出を提出する際には、許可証の書き換えが伴う場合と書き換えが伴わない場合があります。
- 個人の氏名変更
- 法人の名称変更(商号変更)
- 個人の住所変更
- 法人の所在地変更
- 法人の代表者の削除
- 法人の代表者の追加
- 法人の代表者の交代
- 代表者の氏名変更
- 代表者の住所変更
- 行商「する」・「しない」の変更
※ の変更を行う場合は、届出書に登記事項証明書の添付が必要です。
変更届出の提出の流れ
事前届出が必要なケースに当てはまる場合は、下記の手順で進めるとスムーズです。
事後届出のみの場合は、STEP4から進みましょう。
変更予定日の4日前までに提出する必要があります。
原則として、経由警察署「許可申請を提出した警察署」に提出します。
変更日から14日以内に提出する必要があります。
ただし、届出書に登記事項証明書を添付すべき場合には、20日以内に提出します。
営業所が1つの場合は、その主たる営業所の所在地の管轄警察署に、2つ以上ある場合は、そのいずれかの所在地の管轄警察署に提出します。
事後届出の提出と同じタイミングで申請します。
書換申請書と、現在の許可証を提出し、手数料1,500円を納付します。
《事前届出》 届出期限を確認する
営業所の名称または所在地に関する変更は、事前届出が必要とされています。
これは、変更予定日の4日前までに行わなければなりません。
※変更予定日が警察署の閉庁日にあたる場合には、その直前の開庁日までに提出する必要があります。
《事前届出》 必要書類を作成する
事前届出は、別記様式第5号を提出して行います。
※万が一、事前変更届が必要なケースだったにも関わらず、届出をしていなかった(遅れてしまった)場合には、管轄の警察署に相談してみましょう。
場合によっては、必要な書類や申請書の書き方に変更が生じることがありますが、届出を出してやり直しになるよりは、最初から正直に聞いたほうが届出がスムーズに進みます。
《事前届出》 変更届出を提出する
事前届出については、手数料は不要です。
基本的には添付書類も不要ですが、届出をする都道府県公安委員会によっては、営業所の場所や使用権限の確認のため
- 土地・建物登記簿謄本の写し
- 賃貸借契約書のコピー
- 賃貸借の使用承諾書
- 周辺図
- 内部平面図
などの添付書類の提出を求められる場合があります。
※賃貸借契約書や使用承諾書を提出する場合には、事業用途で使用することを承諾している記載が必要です。
《事後届出》 届出期限を確認する
事後届出における届出期限は、変更が生じた日から14日以内とされています。
「14日以内」とは、変更が生じた日の翌日から起算して14日目にあたる日(14日目を含む)までのことをいいます。
なお、届出書に登記事項証明書を添付すべき場合にあっては、変更登記や証明書を請求する期間を考慮し、変更が生じた日から20日以内とされています。
《事後届出》 必要書類を作成する
事後届出は、基本的に別記様式第6号その1(ア)を用いて行います。
変更内容によっては、下記の書類が追加で必要です。
変更内容 | その1(ア) | その1(イ) | その2 | その3 |
---|---|---|---|---|
氏名を変更 | 個人許可の||||
代表者の交替 | ||||
代表者の氏名変更 | ||||
取扱品目 および管理者の届出 | 新設した営業所の||||
役員の氏名変更 | ||||
取扱区分の変更 | 営業所の||||
管理者の交替 | 営業所の||||
管理者の住所変更 | ||||
管理者の氏名変更 | ||||
URLの追加 | ||||
URLの削除 |
「その1(ア)」は必ず作成しなくちゃいけないんだね!
そうだね!変更の内容によって「その1(イ)」「その2」「その3」も必要になってくるよ!
《事後届出》 変更届出を提出する
事後届出においては、事前届出と同様、手数料は不要です。
ただし、添付書類については「行商の有無の変更」「取扱品目の変更」「届出ているホームページなどを閉鎖」する場合を除き、変更届出書に加え、次の書類を添付する必要があります。
個人の氏名または住所変更
本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し
法人の名称(商号)、所在地変更
登記事項証明書(履歴事項全部証明書等)
法人の代表者、法人の役員の削除
登記事項証明書(履歴事項全部証明書等)
法人の代表者の追加、交代
登記事項証明書(履歴事項全部証明書等)
役員以外の者が代表者になる場合は、その者の略歴書、本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し、誓約書、身分証明書
代表者の氏名、住所変更
本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し
法人の役員の追加、交替(辞任と就任)
登記事項証明書(履歴事項全部証明書等)
新たに加わった役員の略歴書、本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し、誓約書、身分証明書
法人の役員の氏名、住所変更
本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し
営業所新設に伴う管理者選任
新たな管理者の略歴書、本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し、誓約書、身分証明書
営業所の管理者の交替
新たな管理者の略歴書、本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し、誓約書、身分証明書
営業所の管理者の氏名、住所変更
本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し
ホームページ等を開設して古物の取引を行う
URLの使用権限があることを疎明する資料
許可証の書き換えが必要な場合は、その場で書き換えてもらい、受け取る
各種変更にともない、許可証に記載されている内容を変更したときは、変更届出書のほかに許可証の書換えを申請する必要があります。
書換申請書(正副2通)と現在の許可証を提出し、手数料1,500円を納付します。
変更届の提出先
変更届出書の提出先は、営業所が1つである場合は、その主たる営業所の所在地の管轄警察署に、2つ以上ある場合は、そのいずれかの所在地の管轄警察署に提出しても構いません。
他の都道府県に営業所を新設する場合は、その届出時おいて、未だ営業所として届け出ていない営業所の所在地の管轄警察署では受理できません。
したがって、初めて他の都道府県に営業所を新設・移転等させる場合は、経由警察署(許可を受けた警察署)に届け出る必要があります。(営業所が2つ以上ある場合は、そのどちらかで構いません)これが事前届出です。
事前届出が受理されてから期間内に、他の都道府県に新設・移転等した営業所を管轄する警察署に事後届出を提出するのが一般的な流れになります。
※例外として、下記のケースもあります。
営業所に関する変更で、
- 営業所の名称または所在地の変更
- 営業所ごとに取り扱う古物の区分の変更
- 営業所ごとの管理者の氏名または住所の変更
をする場合は、営業所のある場所を管轄する警察署にも届け出ることができます。
ただし、この例外により経由警察署(許可を受けた警察署)以外の警察署に届け出る場合には、変更届出書のほかに営業所等一覧表も提出する必要があります。
また、複数の都道府県の公安委員会から許可を受けている場合、
- 営業者の氏名または住所、法人の代表者の氏名
- 法人の役員の氏名および住所の変更届
は、いずれかの公安委員会に届け出れば他の公安委員会には届け出る必要はありません。
この場合、変更届出書のほかに許可公安委員会一覧表も提出する必要があります。
期限が過ぎてしまった場合
バタバタして忙しかったり、うっかり忘れていたりいて変更届・書換申請の期限を超過してしまった場合、罰則や許可の取消しを避けるため、「遅延理由書」という書類を添付して警察署に対して反省をしめします。
遅延理由書は警察署に対して温情措置を求め、例外的に変更届を受け付けてもらうための書類です。ですので、遅延理由書に関しては指定の書式などはありません。
数日の遅れや、一度目の遅れであれば、大きな問題にせずに、警察署からも注意を受けるだけで済む可能性が高いです。
ただし、大幅に遅延している場合や届出をおこたっている場合、法律に基づき10万円以下の罰金に問われる恐れがあります。その際は、間に行政書士などの専門家に入ってもらった方が円滑に話がまとまる可能性もありますので早めのご相談がおすすめです。
まとめ
今回は、古物商許可に関する変更届出の申請についてお話してまいりましたがいかがでしょうか。
古物商許可について変更等を予定している場合には、事前届出が必要なケースもありますので、変更前に書類の準備や管轄の警察署にご相談されることをおすすめします。
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