【保存推奨】酒類販売免許取得後の義務を怠ると免許が取り消されるかもしれません!

太郎

先日、酒類販売免許を取得しました!

花子

おめでとうございます!免許取得後もやるべきことがあるので、忘れないようにしましょう。

太郎

そうなんだ。なんだか大変そうだな。

花子

そんなことはないですよ。会社と酒類業界の社会的信用を守るためにもしっかり遵守しましょう!

目次

免許取得後の管理とは?

お酒の販売業者になると、法律にもとづいてさまざまな義務が発生します。
酒類販売業免許を取得した後の義務についてわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご一読ください。

“酒税法”上の義務

酒類販売業者は、酒税法の規定により、下記の義務を守る必要があります。

記帳義務

帳簿の様式は特にないですが、酒類販売業者は、酒類の仕入れおよび販売に関し、下記の事項について帳簿に記載しなければならないとされています。

仕入数量販売数量
仕入価格販売価格
仕入年月日販売年月日
仕入先の住所および氏名、または名称販売先の住所および氏名、または名称(省略可)
※いずれも酒類の品目および税率の適用区分別(アルコール分別まど)に記帳します。

酒類販売業者が作成する帳簿は、その販売場ごとに常時備え付けておき、帳簿閉鎖後5年間保存する必要があります。

申告義務

酒類販売業者は、下記について販売場を管轄する税務署に申告などを行う必要があります。
また申告には、毎年度申告が必要なものと、状況に応じて都度申告などをする2パターンがあります。

  • 毎年度(4月1日~翌年3月31日)の酒類の品目別販売数量の合計数及び年度末(3月31日)の在庫数量
    翌年度の4月30日まで

※販売場の所在地の異動とは、区画整理などによる地名、地番の呼称変更をいいます。販売場を他の場所に移動する場合には、別途事前に許可を受けなければならない手続きがあります

届出義務

酒類販売業者は、下記について販売場の管轄する税務署に届出をする必要があります。

  • 販売場など(酒類製造場以外の場所)で酒類を詰め替えようとする場合
    詰め替えを行う2日前まで

※「詰替え」とは、酒類製造者(または酒類販売業者)が仕入れた酒類をあらかじめ別の容器に小分けなどして陳列販売を行うことをいいます。なお、消費者(顧客)があらかじめ用意した容器に酒類を詰めて販売する、いわゆる「量り売り」は届出の必要はありません。

“酒類組合法”上の義務

酒類販売業者は、酒類業組合法によの規定により、下記の義務を守る必要があります。

酒類販売管理者の選任・届出

酒類販売業者は、販売場ごとに、酒類の販売業務を開始する時までに、「酒類販売管理者」を選任しなければなりません。なお、酒類販売管理者については、下記の記事で解説しています。

また、酒類販売管理者を選任(または解任)したときは2週間以内に管轄する税務署に届出をしなければなりません。

花子

これらの義務を守らないと、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることとなっていますのでご注意ください。

酒類販売管理者に定期的に「酒類販売管理研修」を受講させる義務

酒類販売業者は、酒類販売管理者に、前回の受講から3年を超えない期間ごとに研修実施団体が実施する酒類販売管理研修を受講させなければなりません

太郎

定期的な研修を受講させていない場合には、勧告・命令を受けることがあり、命令に違反したものは50万円以下の罰金に処されるのか!

標識の掲示義務

お酒の販売場ごとに、だれもが見やすい場所に下記のような酒類販売管理者の氏名や酒類販売管理研修の受講について記載した標識を掲示する必要があります。

太郎

インターネットやカタログなどで販売する場合は、サイト内やカタログ内に記載しないとね!

20歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準の遵守

酒類の陳列場所における表示

酒類の陳れる場所の見やすい箇所に

  • 酒類の売り場である」または「酒類の陳列場所」である
  • 20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない

ことを表示しなければなりません。

酒類の自動販売機に対する表示

酒類の自動販売機には

  • 未成年者の飲酒は法律で禁止されている
  • 免許者の氏名または名称、酒類販売管理者の氏名および連絡先など
  • 販売停止時間(23時~翌日5時)

を自動販売機の前面の見やすい箇所に表示しなければなりません。

酒類の通信販売における表示

酒類の通信販売を行う場合には、

  • 広告およびカタログなどに「20歳未満の飲酒は法律で禁止されている」または「20歳未満に対して酒類を販売しない
  • 申請書などの書類(インターネットなどにより申し込みを受ける場合は申し込み画面)に申込者の年齢記載欄を設けたうえでその付近に「20歳未満の飲酒は法律で禁止されている」または「20歳未満に対しては酒類を販売しない
  • 納品書などの書類(インターネットなどによる通知を含みます)

社会的要請への適切な対応(主なもの)

20歳未満の者の飲酒防止

平成22年には、20歳未満の者の飲酒防止のための取組強化について次の4点が要請されました。

  • 20歳未満の者と思われる者に対する年齢確認の徹底
  • 年齢確認の実施方法についての従業員研修などの実施
  • ポスターの掲示などの方法による20歳未満の者の飲酒防止の注意喚起
  • 酒類自動販売機の適正な管理

20歳未満の者が飲むことを知りながら酒類を販売(または供与)した場合は50万円以下の罰金に処され、さらに酒類販売免許が取り消される場合があります。

花子

酒類販売免許が取り消されると原則として今後酒類販売業の免許を受けることができなくなりますのでご注意ください。

公正な取引の確保

事業者間の競争は公正な取引ルールの下で行われることが必要とされています。独占禁止法では、ダンピング※、差別対価などの不公正な取引を禁止しています。

また、国税庁では、公正な取引のあり方および取引状況等実態調査の実施などを示した「酒類に関する公正な取引のための指針」を定めています。

酒類販売事業者は、独占禁止法の遵守だけでなく、国税庁の「指針」に示された公正なルールに沿った取引を行うことが大切です。

※正当な理由がないのに、原価を著しく下回る対価で商品やサービスを継続的に供給する行為であって、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあることをいいます。

酒類容器のリサイクルの推進

酒類販売業者が一定の基準を満たす場合、販売に使用されたレジ袋や包装紙などの容器包装について再商品化義務が生じます。

花子

従わない場合、助言・勧告後、最大100万円以下の罰金に処せられ、さらに酒類販売免許が取り消されることもありますのでご注意ください。

まとめ

今回は、免許を取得したあとに発生する義務について解説してまいりましたがいかがでしたでしょうか。
特に開業直後は準備することが多く、見落としてしまう方が多い傾向にあります。法律は常に改正がつきものですので、定期的に国税庁のHPなどをチェックするなどの対策を行いましょう。

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