古物商を始めるんだけど、標識が必要なの?
そうだね!標識のことをプレートということが多いみたい。古物営業法でプレートは必ず掲示しなければならないとされているんだ。
どうやって準備すればいいんだろう。
古物商プレートの入手方法はいろいろあるから一緒に確認しよう!
古物商プレートを掲示する理由とは?
古物商プレート(標識)の掲示は古物営業法にて義務付けられています。
(標識の掲示等) 第十二条
古物商又は古物市場主は、それぞれ営業所若しくは仮設店舗又は古物市場ごとに、公衆の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければならない。
引用:古物営業法(警視庁HPより)
なお、古物商プレートが必要な理由は、きちんと許可を取って営業していることを示すためです。
中古品ビジネスは古物商許可を取らずに行うと売る方も買う方も法律違反になります。そのため、取引相手に「うちは法律を守って営業していますよ」とわかりやすく示すことで取引相手に安心して取引してもらうことができます。
つまり、法律で定められていることからお客様が見ただけで古物商許可を取っていることが分かるように、営業所に古物商プレートを絶対に掲示しなければならないのです。
古物商プレートを掲示しなかった場合、10万円以下の罰金が科せられる可能性があります。必ずプレートを掲示しましょう!
古物商プレートの入手方法は?
古物商プレートの入手方法は下記の通りです。法律で定められた様式さえ守っていれば、どこで入手しても問題ありません。
警察署で申し込んで作成する
古物商許可を受けたら、警察署で古物商許可証をもらいます。
そのときに、古物商プレートプレートの説明を受けるのですが、警察署によっては古物商プレートを注文するための申し込み用紙をもらえることがあります。この申し込み用紙は、次に解説する古物商防犯協会で購入するための申し込み用紙になります。
昔は警察署で作成することもあったようですが、現在はそういったことはほとんどありません。警察署からの説明をきちんと聞いた上、古物商プレートの入手先を決めましょう。
古物商防犯協会で購入する
古物商防犯協会とは、安全な町づくりを実現するために警察と地域住民などが協力して設立された団体で、全国各地で活動しています。
神奈川県防犯協会連合会の場合は、次のような値段になっています。
- 古物商プレート:4,000円
- 古物商行商従業者証:2,900円
- 古物台帳:3,364円
値段は少し高いですが、警察と連携している団体というだけあって、こちらが細かく指示しなくても、確実に法律で定められた様式に従って作成してくれます。また、古物台帳などのほかの備品も一緒に注文できるというメリットもあります。
購入方法は、各都道府県の古物防犯協会のホームページから申し込み用紙をダウンロードして申し込みをします。
購入費用に関しては各都道府県によって若干価格差があるので、3,000円前後で販売されている場合にはネット通販などで購入した方が安く購入できるかもしれません。
また、古物商プレートの作成には3~4週間程かかるので、古物商の許可番号がわかった早い段階で申し込んでおくことをおすすめします。
古物商として備えて置くべきものに不安があるときは、古物商防犯協力会に相談してみるのもいいかもしれません。
承認団体から購入する
古物商は、同じジャンルの業者が集まって団体をつくっていることがあり、公安委員会に承認されている団体もあります。それらを承認団体といい、次の3つの団体では古物商プレートの作成を受け付けています。
- 日本中古自動車販売協会連合会(JU)(自動車商の団体)
- 全国刀剣商業協同組合(全刀商)(刀剣を扱う美術品商の団体)
- 日本チケット商協同組合(JTA)(チケット商の団体)
これらの団体での古物商プレートの注文は、どんな古物商でもOKというわけではなく、団体に入会している古物商でなければなりません。
注文を受け付けている古物商プレートは、団体のロゴマークなどが記載された独自のデザインのものです。通常、古物商プレートは、法律で定められた様式のものでなければ認められませんが、3つの団体の古物商プレートは公安委員会の承認を受けて、特例で認められています。
古物商営業において自動車、刀剣、金券類のどれかを扱う場合には、各団体に相談してみるといいでしょう。
インターネット通販で購入する
インターネットで、プレートを作成してくれる業者に発注する方法です。アマゾンや楽天市場などでも購入できます。
この方法は、おそらく今まで紹介した方法より平均相場が2,000円前後なので安く購入できて、短い期間で発送してくれるというメリットがあります。しかし、記載すべき内容などを注文する側がしっかり把握していないと、場合によっては法定で定められた様式と異なるものが出来上がってくる可能性もるので注意が必要です。
プレートは、許可番号・業者名が刻印されるフルオーダーメイドになりますので、発注者側のミスで誤ったものを購入した場合は返品はできないことがほとんどです。もしインターネットから注文するときは、記載すべき内容を管轄の警察署窓口でしっかり確認してから発注したほうがよいでしょう。
ホームセンターなどで作成する
古物商の許可はインターネットでも購入できますが、ホームセンター内にある表札などを作成している店舗でも取り扱っている場合があります。
費用は店舗によって異なるのですが、平均相場としては3,000円前後なので、ネット通販と比較すると少し高いです。ただ、ホームセンターで作成すると、法律で定められた様式に合っているかをその場で店員に相談しながら作成できるメリットがあります。
全てのホームセンターで取り扱いがあるわけではない(表札を扱っているお店でも古物プレートを扱っていない可能性もある)ので事前に店舗に確認することをおすすめします。
自分で作成する
古物商プレートは、法律で定められた様式さえ守られていれば、自分で作成しても構いません。自分で作成する場合、材料を工夫すればどの方法よりも安い値段で作成できます。工作が得意な方は検討してみるといいでしょう。
古物商許可におけるプレート(標識)の様式について
古物商プレートは、古物営業法により様式が定められています。
プレートには、許可を受けた公安委員会と古物商許可の番号などを記載するので、許可を受けてからの作成となります。古物商プレートの様式は以下の表の通りです。
材質 | 金属、プラスチック又はこれらと同程度以上の耐久性(強度)がある材質 |
---|---|
色 | 紺色地の背景に白色の文字 |
図示の長さ | 縦8cm×横16cm |
公安員会の記載(上部) | (許可を受けた)都道府県名+公安委員会許可 |
番号の記載(上部) | 古物商許可証の番号 |
品目の記載(中央部) | 取扱い品目 |
古物商の記載(下部) | 古物商の名称or名称 |
※個人事業主の場合、届け出ている屋号ではなく「氏名」を記載します。
※品目の記載については、営業所において「主として取り扱う古物の品目」を記載します。
↓記載すべき事項は下記をご参照ください。
主として取り扱う古物の品目 | 古物商プレートの表記 |
---|---|
美術品類 | 美術品商 |
衣類 | 衣類商 |
時計・宝飾品類 | 時計・宝飾品商 |
自動車 | 自動車商 |
自動二輪車および原動機付自転車 | オートバイ商 |
自転車類 | 自転車商 |
写真機類 | 写真機商 |
事務機器類 | 事務機器商 |
機械工具類 | 機械工具商 |
道具類 | 道具商 |
皮革・ゴム製品類 | 皮革・ゴム製品商 |
書籍 | 書籍商 |
金券類 | チケット商 |
古物商プレートの掲示について
古物営業法では、古物商プレートの掲示場所について『公衆の見やすいところ』というふうに定めています。
つまり、お客様に見えやすいところということです。それ以外の決まりはないので、お客様に見えやすいところであればどこでも問題ありません。もっと言えば、古物商プレートの掲示場所は、営業所の中でも、外でもOKなのです。お客様が見やすいところなら、壁に貼ってもいいですし、壁に穴を開けたくなければ、写真立てのように立てかけたりしてもいいのです。
店舗タイプの営業所では、レジ横の見えやすい箇所や、カウンターの上に立てかけたりしているところが多いようです。
自宅タイプの営業所では、表札の近くに貼ったり、玄関先に立てかけたりするところが多いです。
だれが来ても、そして、だれが見てもすぐにわかる箇所であることがポイントです。
また、次に説明しますが、営業所は仮設店舗の場合も古物商プレートの掲示が必要になります。
注意点・ポイント
仮設店舗の営業でも、古物商プレートが必要です!
古物商プレートの掲示が必要なのは、営業所だけではありません。仮設店舗の営業を行うときも、古物商プレートの掲示が必要です。
仮設店舗とは、デパートの催事場や、お祭りの会場などに、期間限定で開く古物商のお店のことをいいます。古物商は、警察署に届出を出せば、仮設店舗を開いて期間限定の営業をすることができます。
仮設店舗に古物商プレートを掲示するときも、掲示場所の決まりは営業所と同じです。お客様に見えやすいところに掲示しましょう。
インターネット上での取引でも、古物商許可証の番号を掲示する必要があります!
ホームページなどのインターネットを利用して古物商を営業する場合には、取り扱う古物に関する事項と共に、名称(個人の場合は氏名)、許可をした公安委員会の名称や、許可証の番号などをホームページに掲載することが義務付けられています。
まとめ
今回は、古物商に必要な「プレート(標識)」について解説してきました。
- 古物商プレートは掲示しなければいけないこと
- プレートの様式は材質まで細かく指定があること
- プレートの作成場所は信頼できるところで頼むこと
などの基本を守っていれば、法律違反になることもないので古物商を営業する際には、必ず掲示しましょう。
当事務所では、古物商に係る許可の申請などについてもお手伝いさせていただいております。ご検討されている方は一度ご相談ください。
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