【知らないと損する】一般貨物運送業許可の役員法令試験に落ちるとヤバい?

太郎

一般貨物自動車運送事業の許可をとるには
試験に合格しないといけないの!?

花子

そうなの!準備ができて申請書を運輸支局に提出した後、
まずは法令試験に合格しないと書類審査を進めてくれないんだ。

太郎

なんだか難しそうだね。どんな試験なの?

花子

合格率は60~70%と言われているんだけど、不合格が2回で申請が却下されてしまうから、しっかりと対策を行う必要がある試験だよ。
今回は、いつ・だれが・どんな試験を受けるのか一緒に確認しよう!

一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、運送業に関する法令順守のために、法令試験に合格しなければなりません。

今回は、この法令試験をどのタイミングで受験するのか、誰が受けなければいけないのか、出題範囲はどこかなどについて関東運輸局管内の基準を前提に解説していきます。

(関東運輸局の公式ホームページで詳細・最新情報をチェック ⇒ 関東運輸局

目次

受験するタイミングは?

法令試験  ⇒ 奇数月(2か月に1度)に実施

受験資格は、一般貨物自動車運送事業許可申請書を運輸局へ提出し、受理された申請者に限ります。

受理された後、運輸局から法令試験実施通知書が郵送され、記載された日時・場所で受験をする流れになります。

一般貨物事業の法令試験は奇数月に実施していることを説明する画像

受験する人は?

個人事業主 ⇒ 事業主本人

法人 ⇒ 許可又は認可後、申請する事業に常勤する役員のうち1名

受験者は、1申請に当たり1名のみとなります。

法人の場合、常勤の役員が複数いる場合がありますが、同じ会社から何名も受験できるわけではありません。

一般貨物事業の法令試験の受験者は1申請1名だけだということを説明している画像

合格率はどのくらい?

役員法令試験の合格率は受験される地域や実施月によって異なりますが、令和4年5月~令和5年7月の間に関東運輸局管内で実施された役員法令試験の合格率は以下の通りです。

試験実施年月合格者(人)受験者(人)合格率(%)
令和4年5月557375.3
令和4年7月385766.7
令和4年9月487762.3
令和4年11月547869.2
令和5年1月446666.7
令和5年3月455581.8
令和5年5月407156.3
令和5年7月496971.0
(参考資料:関東運輸局ウェブサイト「法令試験の実施について」

出題範囲と合格基準は?

役員法令試験は、下記の①~⑬の法令の中から出題されます。(法令試験の実施日において施行されている法令から出題)

  •  貨物自動車運送事業法
  •  貨物自動車運送事業法施行規則
  •  貨物自動車運送事業輸送安全規則
  •  貨物自動車運送事業報告規則
  •  自動車事故報告規則
  •  道路運送法
  •  道路運送車両法
  •  道路交通法
  •  労働基準法
  •  自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
  •  労働安全衛生法
  •  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
  •  下請代金支払遅延等防止法

設問方式 …○×方式及び語群選択方式

出題数 …30問

試験時間 …50分

合格基準 …出題数の8割以上で合格◎

参考資料等の持ち込みは不可です。
ただし、関係法令等の条文が記載された条文集が配布されますので、それを頼りに問題を解いていきます。

主にひっかけ問題が出題されやすいため、その対策と条文集を素早く読み解くことが大切です。

各法令の目的がキーポイント?

各法令の第1条にはその法令の「目的」が記載されており、そこを読めばその法令がどのような内容について定められているかがわかります。

「目的」は必ず出題される項目でもあるので、目を通しておきましょう。

【貨物自動車運送事業法】(目的)

第一条 この法律は、貨物自動車運送事業の運営を適正かつ合理的なものとするとともに、貨物自動車運送に関するこの法律及びこの法律に基づく措置の遵守等を図るための民間団体等による自主的な活動を促進することにより、輸送の安全を確保するとともに、貨物自動車運送事業の健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

【道路運送法】(目的)

第一条 この法律は、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)と相まって、道路運送事業の運営を適正かつ合理的なものとし、並びに道路運送の分野における利用者の需要の多様化及び高度化に的確に対応したサービスの円滑かつ確実な提供を促進することにより、輸送の安全を確保し、道路運送の利用者の利益の保護及びその利便の増進を図るとともに、道路運送の総合的な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。

【道路運送車両法】(目的)

第一条 この法律は、道路運送車両に関し、所有権についての公証等を行い、並びに安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての技術の向上を図り、併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより、公共の福祉を増進することを目的とする。

【道路交通法】(目的)

第一条 この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。

【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準】(目的)

第一条 この基準は、自動車運転者(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号。以下「法」という。)第九条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)であって、四輪以上の自動車の運転の業務(厚生労働省労働基準局長が定めるものを除く。)に主として従事する者をいう。以下同じ。)の労働時間等の改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図ることを目的とする。

【労働安全衛生法】(目的)

第一条 この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。

【私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律】(目的)

第一条 この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。

【下請代金支払遅延等防止法】(目的)

第一条 この法律は、下請代金の支払遅延等を防止することによって、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護し、もつて国民経済の健全な発達に寄与することを目的とする。

試験対策は何をしたらよい?

役員法令試験の最も効果的な勉強方法は、自身が受験する運輸局の過去問題を繰り返し解くことです。
過去問題を解く際には、試験当日の状況に慣れておくためにも条文集をうまく活用し、ポイントをおさえる練習をしましょう!

試験時間50分の中で、30問すべてを条文集から確認するのは非常に大変です。

一発合格するためにもきちんと事前準備することをおすすめします。

試験不合格になったらどうなるの?

試験を受けた結果、不合格の場合は、1度だけ再受験が可能です!

これで合格すれば何の問題もありませんが、再受験で不合格になってしまうと申請は却下されてしまいます。(通常は運輸局側が却下処分を行う前に申請者が申請書を取り下げます。)

2回不合格の場合でも、再度許可申請書を提出すれば、法令試験を再受験することは可能です。
とはいえ、1回目、2回目の試験に不合格になると、許可申請書提出から短くとも3ヶ月が経過しています。

また、不合格後に申請を取り下げてから再申請ということになりますと、許可取得が大幅に遅れ、様々な準備や金銭的負担が増えてしまいます。

試験後はどのような流れになるの?

試験に合格すると、申請書類に問題がなければ許可が出る流れになります。

許可が出ればOKというわけではなく、2回目の残高証明書の提出が求められますので、指定された期限内で残高証明書を取得しましょう。

まとめ

2度の受験で合格しないと申請取り下げとなる厳しい制度ですが、しっかりと準備すれば合格できます!

運送業許可申請の法令試験は、早めにしっかり試験対策を始めましょう。

関東運輸局の公式ホームページで詳細・最新情報をチェックしよう! ⇒ 関東運輸局

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